元うつ病患者のふり返り日記

うつ病で会社を9ヶ月間休職した後に復職を果たしました。そんな筆者がうつ病や精神医学についてふり返り考察します。完治に至った闘病記もごらんください。http://snailramp.net/depression/

胃痛や肩こりが無くなったら要注意

私はもともと精神的な負担を感じやすい人間なのですが、20代のころはそれがよく体の症状に表れていました。

 

一つは肩こりです。

昔はほぼ毎日夜の11時〜12時まで仕事をしていました。そのうえ長時間働くだけでなく、よくそりの合わない上司と喧嘩をしていました。そうして心身ともに疲れ果てると決まって肩こりがひどくなり、首を動かすのも辛いほどでした。

それでも若いころは体力もあり、週末に昼間までぐっすり眠ると翌週は何事もなかったかのように仕事に行くことができていました。

 

しかし20代の後半になると体に表れる症状が変わっていきます。

 

20代の後半になると肩こりが少なくなり、その代わりに何か嫌なことがあると胃痛が起こるようになりました。一晩中胃が痛くなり、眠れないこともしばしば。そして胃痛の後は必ず下痢になりました。やがて胃痛は慢性的な逆流性食道炎へとつながっていきました。

逆流性食道炎になると食道に刺すような痛みが起こり、食欲もなくなりました。検査治療のために毎年胃カメラを飲みましたが、鼻から入れるカメラでも体に合わず、嘔吐しながらの検査になりました。

 

苦しい逆流性食道炎は5年も続きました。

 

5年間、タケプロンなどの西洋医学の薬を飲み続けましたが再発を繰り返し、完治することはありませんでした。しかしネットで見つけた逆流性食道炎を専門に扱う「新板橋クリニック」で処方された漢方薬でわずか1ヶ月で治ってしまいました。(私は柴朴湯という漢方を処方されましたが、人によって処方は違うようです。逆流性食道炎に苦しむ方は是非受診してみてください。いま思えばこの頃から東洋医学とは縁があったのだと思います。)

新板橋クリニックでは清水先生という方に治療して頂いたのですが、先生曰く、「あなたは考え方、人生の生き方を変える必要がある。さもないとたとえ逆流性食道炎が治ってもまた別の病気になってしまうでしょう。」と予言され、定期的にクリニックに通うように促されました。聞くと新板橋クリニックでは精神療法なようなものもやっているとのことでした。

しかし当時の私は漢方の力に驚きつつも精神療法的なものには懐疑的で、説教じみた診察に嫌気がさし、自分には必要は無いと考えて通うのをやめてしまいました。

 

しかし清水先生の指摘は正しかったのです。

 

新板橋クリニックに通うのをやめた直後は肩こりも無く、胃痛も無く、逆流性食道炎も無く、嫌なことがあっても取り立てて体のここが悪くなるということはほとんどなくなりました。

そして子供も生まれ、このまま病気など気にすることも無く、それなりに平穏なサラリーマン生活を送れると考えていました。

しかし、配置転換に伴い仕事が倍増し、子供が2歳のイヤイヤ期を迎えると生活が激変していまいます。

仕事は毎日めまぐるしい程の量をこなしていました。そのうえ平日の朝は保育園への送りと土日の子供の世話(妻とは休日が合わないのです。)で忙殺されました。そして睡眠時間はみるみる減っていきました。

仕事は量だけでなく、その内容にも問題がありました。自分は効果が無いと思う仕事をさせられ、そして実際効果はありませんだした。

自分の想いとは全く異なる方針の仕事に従事するにつれ、だんだんと眠れなくなっていきました。

 

昔であればこれだけ負荷が高ければ、肩こりもしくは胃痛になっていたと思います。しかし何故かそうならず、不眠症状はひどくなっていきました。そして不眠はやがてうつ病を呼び、休職を余儀なくされたのです。

 

いま思えば若い頃に肩こりや胃痛になっていたのは、自分が抱える負担を体が受け止めてくれていたのではないでしょうか。東洋医学で言う「心包」が機能してたのではないでしょうか。

しかし歳を重ねるに連れて体が負担を受け止められなくなり、ダイレクトに脳、もしくは未だに解明されていない正常に生きるのに必要な何かを侵食していったのだと思います。(うつ病の原因は何も解明されていないので、脳が異常になったとは言い切れません。)

 

体が過度に負担を受け止めていると、将来、癌化するなどの可能性もありそうですが、生活環境が変わらないのに肩こりや胃痛が治ってしまったという人も要注意です。もしかしたら体が種々の負担を受け止め切れなくなっているのかもしれません。