元うつ病患者のふり返り日記

うつ病で会社を9ヶ月間休職した後に復職を果たしました。そんな筆者がうつ病や精神医学についてふり返り考察します。完治に至った闘病記もごらんください。http://snailramp.net/depression/

過労死防止法案なるものが可決されました

昨日、過労死防止法案という聞きなれないけどそのものずばりの法案が可決されました。

私はこのような法案が審議されていることは全く知りませんでした。たまたまNHKで大きく取り上げられているのを見て初めて知りました。

 

過労死防止法が成立(日本テレビ系(NNN)) - Yahoo!ニュース

20日成立した「過労死防止法」には、過労死を防止する総合的な政策を行うことは「国の責務」と明記されている。その上で、国や自治体に対し、過労死の実態調査をすることや、過労死を防止する企業の取り組みを支援することなどを求めている。

NHKの報道を見ても、このニュースを読んでもよくわからないですね。国の責務として実態調査や支援をする・・・?過労死を引き起こす企業に罰則を与えるような強制力は無いのでしょうか。

そんなわけで法案をナナメ読みしてみました。

http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/186/pdf/t051850281850.pdf

すごく短い法案なのですが、ニュースに書いてある以上のことはよみとれませんでした。やはりニュースの通り「国・地方公共団体の責務として」「研究・調査する」「支援する」ことが主な目的で、企業に対する強制力は無さそうです。

こんな法案にいったい何の意味があるんでしょうか。この法案があっても企業は「今年は〇〇人過労死しました。」と報告するだけで済んでしましそうです。NHKのニュースでは息子さんがうつ病の末自殺してしまった遺族の方が「この法案が10年早くできていれば息子は死なずに済んだかもしれない。」とおっしゃっていましたが、本当にそうなのだろうか、そのような効力は無さそうだけど、と思ってしまいました。

少なくとも法案を読んだ限りでは私はこの法案の効果は全くわかりませんでした。

それでこの法案の成立を目指していた団体がいるようで、そちらのサイトも調べてみました。

“ストップ!過労死”実行委員会

するとこの法案成立にあたっての声明文が掲載されていました。

http://www.stopkaroshi.net/katudo/seimei.html

3 法制定の意義

  この法律の最大の意義は、初めて過労死の防止を国および自治体の責務として定めるとともに、過労死防止のための対策として調査研究、啓発、相談体制の整備、民間団体の活動支援などを盛り込んだ点にある。これによって、これまで不十分であった過労死の総合的な調査研究が国の責任で行われることになった。また、国や地方公共団体による広報・教育活動や、11月の「過労死等防止啓発月間」を通して、過労死の防止を国民的課題としていく新たなステップが踏み出された。
  そして、法は、政府が過労死等の防止対策に関する大綱を作成すること、その大綱の作成にあたっては、過労死遺族らも加わった「過労死等防止対策推進協議会」の意見を聴くこと、政府は毎年過労死白書を国会に提出し、過労死等の概要と政府の過労死防止対策の実施状況を公表すること、調査研究の結果を踏まえて、必要が認められれば、法制上・財政上の措置を講ずること、および法施行後3年を目途に見直しを行うことを明記している。
  私たちは、過労死防止に向けた歴史的な一歩といえるこの法律の成立を深い感慨をもって受け止めるとともに、この法律が実効性を発揮していくよう、厚労省・関係諸団体とも連携して、いっそう努力していく所存である。

これを読んで少し納得しました。具体的な施策を講じるのは今後、国が大綱を作成してからということですね。

企業への罰則など具体的な効果のある施策が出てくるのはまだまだ先のようです。

 

気になるのは国の責務の名目で、研究や調査、支援に税金が使われていくことですね。ここには当然精神医学界や製薬会社が絡んで来るでしょう。彼らが国をあげての大義名分を勝ち取ってしまったようで不気味です。

彼らは「うつ病心の風邪」キャンペーンに勝る宣伝を仕掛けてきそうです。そこには堂々と税金が投入され、そして精神科を受診する人が増え、高価でまったく役に立たない向精神薬が売れて製薬会社が儲かるのです。

もしかしてこの法案成立に関して製薬会社が暗躍したりしてないですよね・・・?