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元うつ病患者のふり返り日記

うつ病で会社を9ヶ月間休職した後に復職を果たしました。そんな筆者がうつ病や精神医学についてふり返り考察します。完治に至った闘病記もごらんください。http://snailramp.net/depression/

自分の性格を変えずに自分の性格を変える

最近は書籍でアドラー心理学にまつわる物を良く見かけるようになりました。本屋の店頭に平積みされてたりします。私はアドラーの名前くらいしか知らなかったのでちょっとWikipediaで調べてみました。

アドラー心理学 - Wikipedia

 

面白いなと思ったのはアドラーは個人をそれ以上分割できない最小の単位としてとらえ、個人の中では心と身体、意識と無意識、感情と思考などの間に矛盾や葛藤、対立を認めないというところです。

対立が発生するのはあくまでも他者との関係性の間だけで、もし初めから人間が社会から隔絶された状態ならば悩みなど一切発生しないということですね。確かにそうかもしれません。

 

自分の性格というものは自分の中で完結しないだけでなく、それどころかほぼ他者との関わりあいで決定されます。現実社会おいて他者とのコミュニケーションがうまくいけば多くの問題は解決されるでしょう。

 

あまりにも普遍的な事なのでわざわざ書くのもどうかと思いますが、コミュニケーションは大事です。しかしそこで自分の性格が決定されるというのを意識している人はあまりいないのではないでしょうか。自分の秘めたる想いは置いておいて、良質なコミュニケーション能力を磨くと少なくとも外から見える自分の性格は変えることはできます。

 

良いコミュニケーションの手段というは古今東西いろいろな物が提唱されていますが、今回はNLPラポールミラーリング、バックトラックキングというものを紹介します。

 

NLPそれ自体は高額な自己啓発セミナーを展開する団体との強い関係のせいで、かなり強い批判に晒されいます。しかし一部のテクニックについては科学的な根拠はないものの、有効性が認められ心理療法だけでなくビジネスの世界でも多く使われています。

特にその有効性から広く応用されているのがラポール、ペーシング、ミラーリング、バックトラックキングという一連のテクニックです。これらのテクニックは自身の心理状態を改善するものではなく、セラピストが患者とのコミュニケーションを円滑するために使うものです。そして今ではセラピストだけでなく、ビジネス世界の営業であったりナンパ師が女性の心を開かせるのにも使われます。

 

まずラポールですが、これは他者との信頼関係が築けている状態を指しています。互いを尊敬し、敬意を払い、信頼し合っている状態です。まずこの状態になってこそ相手に何かを要求ができるのです。また自分にいくら能力があっても相手はそれをなかなか認めてくれません。またラポールがなければ、ちょっとした拍子に簡単に相手との関係は崩れて去ってしまうのです。

 

そのラポールを構築するための技術がペーシング、ミラーリング、バックトラックキングです。

 

ペーシングですがこれはその名の通り、自分のペースを相手のペースに合わせることです。話し方や状態、呼吸を合わせていきます。相手が早口であればこちらも早口でしゃべり、相手のテンションが高ければこちらもテンションを上げます。小さい子供にはゆっくり話てあげますよね?それと同じなのです。ペーシングをすることで相手に安心感を与えるのです。

 

次にミラーリングです。これもその名の通りなのですが、鏡に移したように相手の動作の真似をすることです。食事中に相手がグラスを持ったら自分もグラスを持ち、相手が足を組んだら自分も組むのです。相手がびしっと姿勢を正しくしているのに、自分が姿勢を崩していたら印象悪いのは当たり前です。ミラーリングはその逆で、相手の動作を真似する事で親近感を得る事ができます。

 

最後にバックトラックキングです。バックトラッキングとは相手の言ったことをオウム返しすることです。例えば相手が「私はテニスが好きなんですよ。」と言ったら「テニスが好きなんですね。」と返します。そうすることで相手は自分が認められていると感じるのです。

また相手はオウム返しされることで内容を追認し、無意識のうちにとYesと回答することで相手に親近感を覚えるのです。先ほどのテニスの例であればこんな感じです。

相手:「私はテニスが好きなんですよ。」

自分:「テニスが好きなんですね。」

相手:(はい)

このYesという答えを繰り返し獲得することをNLPではYesセットと呼んでいますが、そうすることで相手はすごくポジティブな感情になります。

相手の話が長い場合は要約して返す必要がありますが、要約の仕方が相手の意図と異なると却って嫌悪感を与えることになるので気をつける必要があります。

基本はオウム返しです。そうすると自分があまり話のネタを持ってなくても話を続けるられることが多くなります。

 

自分でもしばらくペーシング、ミラーリング、バックトラッキングを試してみましたが、一番有効性を感じるのはバックトラッキングです。自分は話があまりうまくないのですが、話の中でしばしばオウム返しをすることで一呼吸付けますし、相手と話を続けるのに非常に便利だと思います。場合によってはほぼオウム返しで会話が成立したりします。

ペーシング、ミラーリングについてはある程度は人間誰しも自然とやっているのではないでしょうか。好意を持っている相手に早口でまくしたてる人はあまりいないですよね。逆に嫌な相手には自然と早口になり、相手とは違った姿勢をとっているような気がします。だから嫌な相手でもペーシング、ミラーリングをより意識すると関係の改善につながるかもしれません。

 

これらのテクニックを使うことで、私のことを「あいつ性格が変わった」と言う人がいるようです。自分では性格を全く変えたつもりがないのですが、他者から見える自分の性格は相手との関係性に色濃く影響を受けるものなので、そういう印象を与えたのでしょう。

 

こういったテクニックを使う事に抵抗がある方もいると思います。良い事も悪い事も正直に自分の気持ちを伝えることだけしたい、という人もいるでしょう。しかし残念ながら人生の大部分が他者との関係性に強く影響をうけます。そのためこれらのテクニックで自分の人生の面倒な部分が軽減され、加えて生産性が上がるのであれば使う価値もあるのではないでしょうか。