ケトン体が脳の炎症を抑える
まさかここまで更新間隔が空くとは思いませんでした。
想像を絶するようなデスマーチプロジェクトに入れられたせいで全くブログを書く時間や気力が無かったです。そして困ったことにデスマーチはまだ続いています。
やれやれ。
アホみたいに忙しくてもうつに関する記事を見つけてはEvernoteに保存してました。今回紹介するのは毎日新聞の8/22(!)の記事です。
<鳥取大>体内にうつ改善効果物質確認
鳥取大医学部付属病院(鳥取県米子市)の岩田正明准教授(41)らの研究グループは21日、体内でできるβヒドロキシ酪酸(BHB)という物質に、うつ病を改善する効果があることを確認したと発表した。今後、新たな治療薬の開発につながることが期待される。【小松原弘人】
岩田准教授によると、BHBは飢餓時などに肝臓で生成される脳の緊急エネルギー源で、ブドウ糖を補う役割がある。うつ病はストレスなどで脳内の炎症性物質が増え、意欲低下などの症状が起きる。2年半前にはアメリカの研究グループがBHBに炎症抑制作用があることを報告していたが、岩田准教授らは実際にうつ症状の改善につながるかを動物実験で確かめた。
実験ではBHBを事前に投与したラットと投与していないラット16匹ずつを使用。それぞれに夜間ライトなどで1カ月間の慢性的ストレスを加え、うつ状態の時の行動として水中で停止してしまう「不動時間」を比較した。その結果、BHBを投与したラットの不動時間は平均約30%少なかった。
また、円筒に1時間入れて急性ストレスを与えた別の実験も実施。BHBを投与した20匹の脳内の炎症性物質は、同様に平均約30%少なかったという。
現在の抗うつ薬は脳機能障害によって欠乏する物質を補充するものが主流だといい、岩田准教授は「うつ病を抑制する新しい治療の可能性が出てきた」と話している。
BHBというのはケトン体の一種です。ケトン体はブドウ糖が枯渇すると肝臓が作り出す代替エネルギーです。ケトン体はエネルギーになるだけではなく脳の炎症を抑える役割があると言われてきましたがこの鳥取大の研究でまた一つ証明に近づいたというわけです。
あとそもそもうつ病の原因が脳の炎症にあるってのはもはや常識として捉えられてますね。もはや化学的不均衡説(モノアミン仮説)は死に体です。
ケトン体についてはもう少し詳しく知りたい方は下記のエントリをご覧ください。ケトン体を増やしたいからといって変に糖質制限はしない方が良さそうです。
それではまたデスマーチの合間にお会いしましょう。
追伸
そういえば困ったことに村上はり療院の予約が全然取れなくなりました。いつも予約でいっぱいなのです。まぁ前日に予約を取ろうとするのがいけないのですけど。