元うつ病患者のふり返り日記

うつ病で会社を9ヶ月間休職した後に復職を果たしました。そんな筆者がうつ病や精神医学についてふり返り考察します。完治に至った闘病記もごらんください。http://snailramp.net/depression/

人の話を”聴く”

アサーティブな関係を築くなら人の話を”聴く”ことが大事。
 
前回のエントリでうつ病を防ぐのにアサーティブコミュニケーションを使うことは効果があると書きました。
相手の気持ちを思い過ぎて相手の言いなりになるのでは無く、自分の考えを恐れることなく主張するのです。
特に自分のその時の気持ちを伝えることは非常に大事です。
 
 
一方で相手とアサーティブな関係を築くには相手の話を聞くことも重要です。自分の主張だけしていては攻撃型の人と変わりがありません。
アサーティブコミュニケーションでは「わたしもOK、あなたもOK」という状態が理想です。
 
 
相手の話を聞く際には内容を理解するためにただ聞くのでは無く、相手がどういった気持ちで話をしているのか汲み取りましょう。
そのためには深く”聴く”ことが大事です。
 
 
人間はロボットと違い感情的な生き物です。論理的に正しい主張であっても、自分の気持ちをわかってもらえていないと感じると感情的に受け入れられない場合があります。
 
 
”聞く”と”聴く”は違うのです。
 
 
例えば生まれたばかりの赤ちゃんがいる家庭を想像してみてください。
奥さんは初めての子育て疲れ果て、夫にこう訴えます。
「わたしは朝から晩まで、それこそ夜泣きも入れたら24時間赤ちゃんの面倒を見ていて疲れてるの。仕事ばかりしていないであなたも少しは手伝って!」
 
 
夫は子育てを奥さんに丸投げしていたことを反省してこう提案します。
「わかった。週のうち2回は仕事をできるだけ早く切り上げて帰ってくるよ。土日の過ごし方もこことここを効率よくして、子育てに参加できるようにするよ。キミも日々のAの作業とBの作業の時間を短縮して効率をよくしよう。」
 
 
この提案を聞いた奥さんは確かにそうすると少しは楽になりそうだけど、もやもやが収まりません。夫が家族のために一生懸命働いていることもわかっているつもりです。でもそうじゃない、そうじゃないと誰かが自分に囁くのです。そのためにせっかくの夫の提案に反論をしたくなります。
Aの作業とBの作業が短縮できるってろくに手伝いもしないのにわかりっこないじゃない!」
頭では悪い話でもないと思うのにイライラが止まらないのです。
 
 
こういった場合にはまず「解決策の提案」をするのでは無く、相手の思っていることに「共感」してあげることが大事です。
上記の例の場合は奥さんは子育ての問題を解決するよりも、まず子育てに頑張っている自分に「共感」して欲しいのです。
「誰よりも子供のことを思って、頑張って面倒を見てくれてありがとう。」と相手の気持ちを汲んだ一言を先に言うのが大事なのです。
 
 
そうすると建設的にお互いの主張を言いあう”場”が作られますので、日々の生活について見直しをする「解決策の提案」をしていくことができます。
 
 
論理的に正しい主張であっても、主張のための”場”ができていないと通る話も通らなくなってしまいます。
 
 
自分の意見の主張をする際には、相手の話もよく”聴き”、内容の理解の前にどうしてその話をしているのか相手の気持ちを想像して伝えてみてください。
相手の気持ちを汲もうとする姿勢をわかってもらうだけでも、人間関係が好転する効果はあると思います。
 
 
図解 相手の気持ちをきちんと<聞く>技術

図解 相手の気持ちをきちんと<聞く>技術